第23章 最強の看病
その後には、すりおろされたりんごと小さくカットされたいちごも出てきた。
それを美味しく全てたいらげれば、次はお風呂の時間だ。
もちろん一緒に入ると言って聞かない悟に、頭から身体を隅々まで綺麗に洗われ、さらにはトリートメントまでしてもらった。
「ふ〜気持ち良いね、ヒナ」
湯船に浸かり真っ正面から私をにっこりと見つめる悟はそれはそれは穏やかに笑っている。
普段湯船に浸かる時は基本背後から抱きしめられるような体制が多いのに、何故か今日は悟の真っ正面から足の間にすっぱらりと収まるような体制で座らされている。
「あのさ、恥ずかしいから後ろ向いちゃダメ…?」
「だーめ、今日はずーっとヒナの顔を眺めていたいから」
「でも明るいし恥ずかしぃ」
「これよりももっと恥ずかしいこと沢山してるじゃない」
「そう言う問題じゃないんだよぉ、恥ずかしいものは恥ずかしいの!」
悟とお風呂にはいる回数はお互い忙しく時間が合わない事もあって多いわけではない。それでも数度は入った事があるし、なんなら悟の言うようにそれ以上に恥ずかしいことなど何度もしている。
それでもやっぱり明るみで凝視されるのは恥ずかしいことこの上ない。