第23章 最強の看病
悟はテキパキと調理を始める。最強だから料理が出来るとは思ってないけど、本当に何でもそつなくこなすなぁ。
そう言えば昔、何でも出来ちゃうから出来る限り何にもしないようにしてるって言ってたっけ。今思えばその台詞凄いな。そんな事を当然のように言ってしまうのも凄いけど、それを周りが納得してしまうだけの悟の実力も凄い。
「はーい、出来たよ〜」
毛布にぐるぐる巻きにされたまま悟を眺めていると、トレーに乗ったお粥を持った悟がやって来て、ローテブルをソファーの近くに引き寄せその上へとそっと置いた。
「うわぁ、美味しそう!」
「悟君特性卵粥だよ〜、どーぞ召し上がれ」
ホカホカと白い湯気から美味しそうな香りが漂ってくる。お皿の中を覗き込めばふんわりとした卵粥。そしてその中には丁寧にすりおろされた人参が入っていて、私の為に色々考えてくれた悟の優しさに心が染みた。
「うん!すっごい美味しい!天才!最強!」
一口運び込めば、その美味しさに思わず笑みがこぼれそして悟を見上げた。
「えー凄い褒めてくれるじゃん。嬉しいねぇ」
「だって本当に美味しいもん!」
「作った甲斐があったよ、熱いからゆっくり食べな」
「うん!」