第23章 最強の看病
悟に抱えられ家へと戻れば、体感的には1日ぶりなのに。それがやけに懐かしく感じる。
多分、悟とこうして寄り添いこの家にいるのが久しぶりだからかもしれない。
そう思うと、少しだけ喉の奥が詰まったような感覚になって泣きそうになった。
「とりあえずご飯だよね、お腹空いたでしょ?」
「うん、空いた!」
時間があれば時々悟は料理をしてくれる。最強でイケメンで頭も良くて料理が出来るなんて本当に非の打ち所がない。若者語で言うならば、確かスパダリ?だっけ??
それだ、まさにそのスパダリだ。
私を抱えていた悟はとりあえず荷物をリビングに下ろすと、そのまま私を下ろすことなく廊下へと進む。
「どこいくの?」
「ん?寝室だよ、直ぐには出来ないからゆっくりして待っててね」
目隠しをしているはずなのに、その穏やかな口調と、ゆるりと上がった口元だけで彼が今とても優しい表情をしているのが分かる。
それに凄く満たされる私は、本当に彼のことを愛しているのだ。
「悟がお料理してる所見てたい」
そこに嘘はない、だけど本音は少しでも離れていたくないというそんな気持ちからだ。悟のそばにいたい。隣に居られなくても、悟が私の為に料理をしてくれている姿を見ていたい。