第5章 今夜から
最強であり、何でもそつなくこなす悟。そんな彼に私が返してあげられるものは何だろう。
悟だって完璧じゃないのは分かっている。最強だって時には疲れるし皆んなの知らないところではきっと一息付きたい時だってあるだろう。
それは幼なじみの私だからこそ悟を理解してあげられる部分なんだと、私はそう思ってる。だからこそ悟に何かしてあげたい。最強だって時には休まないとだめだよって、たくさん寝てたくさん食べてゆっくりしてねって。そんな当然なことさえ多忙が故に適当になってしまっている彼の力になりたい。
任務…は悟のかわりになるのは無理だし。
学校の仕事は…まぁまぁ協力し合って頑張っているつもりだ。
癒しってなんだろう。普段忙しくて疲れている悟の手助け…
バスルームへ向かいながらそんな事を考えていると、ふと思い付いた一つのこと。
そうだ、これから一緒に住むなら家事全般は私がやろう!自分自身元々忙しく家にはほぼ寝るだけに帰っていたようなものだからそんな家事をこなしていたかと言うと適当だったし…料理もあまりしたことはないが…
私よりもさらに何百倍も忙しい悟に比べたら、私の方が家事をこなす時間はある。まぁ現在の悟の家を見る限り…どこを見渡してもとても綺麗に整っているし生活能力は完璧なようだが…それでもこんな事くらいしか私には出来ないんだとしたら、ここで少しでも悟の負担を減らしたい。
まるでホテルかと思うような豪華なお風呂に入りながら意を決すると、私は早々とお風呂から上がった。
うん、頑張ろう。私も悟の婚約者として少しは彼の力にならないと。