第22章 愛しい瞳
ーーーーーーーーーーー
「特別異常はない、腹のアザはそのうち消えるだろう。今日は念の為ここに泊まれ。明日からは帰っても問題ない」
「うん、硝子ありがとう。傑もありがとうね」
「いや、ヒナが目を覚まして私達も安心したよ」
「異常はないと言っても腹に穴を開けられて数日寝込んでたんだ。安静にしてろよ」
「うん、分かってるよ。安静にする」
安心したように笑みを見せる傑と、白衣のポケットへと手を入れた硝子は私達を見下ろし少しばかり呆れたように見つめる。
何故ならそれは…
瞳をうるませ、私の腰へとその長い腕を回ししがみついている悟を呆れたように眺めているからだ。
「うぅ…本当に…ひっく、良かった…もしヒナがこのまま…ひっく…目を覚まさなかったら、僕も後追いしてた…ひっく」
一度涙を流しまるで何かが切れたように悟は涙を流し続けた。それはもうボロボロに、最強はどこに行った?というほどまるで泣きじゃくる子供のように泣いた。