第22章 愛しい瞳
「それはこっちの台詞だよ。だって悟は何年も私の事をずっと好きでいてくれたでしょ。ずっとずっと私を好きでいてくれたでしょ」
私なんてそのうちのたった1ヶ月だ。何度もへこたれそうになったし、酷く傷付き泣きたくもなった。だけれどそんなの悟が私を好きでいてくれた期間を考えたら微々たるモノなのだ。
今まで悟は何年も何年も一体どんな気持ちで私のそばにいたのだろう。私を好きでいてくれたのだろう。
そう思えば思うほど、私は悟が愛しくて、そして私をずっと好きでいてくれてありがとうという愛しい気持ちが溢れた。
私の言葉に、悟は目を丸め驚いたような表情を見せると、その瞳を次第に細め私を優しく見下ろす。
「これだから僕は、たまらなく君が好きなんだ」
その言葉にどれほどの気持ちが込められているのかは分からない。だけどそれでも、彼がどんなに私を想いそして過ごしてきたのか…その確かなる愛に触れたような気がした。
好きなんて言葉じゃ足りない。愛してるなんて言葉じゃ伝えきれない。
それでもその言葉を言いたくなるのは、きっと溢れた気持ちを少しでも相手に伝えたいからだ。