第21章 忘れモノ
辺り一面に血が飛び散る。拷問なんて可愛らしいものじゃない。
「さっさと吐け、殺すぞ」
恐ろしいほどに低く震えるような声が室内に響き渡る。
悠二とヒナが拐われた一件から、高専の敷地内で監視させられていた呪詛師の頭を踏み潰す。
その僕の容赦ない行動に倒れた男は「うぅ…」と今にも消えありそうな声を絞り出した。
「呪具は…あの、建物の地下に…それを破壊すれば、呪いが…解ける…」
その言葉を聞いた瞬間、もう一度容赦なくその頭を強く踏みつける。
「悟、やめろ。本当に死んでしまうぞ」
だからどうした。コイツが死んだところで明日からの世界は何も変わりはしない。