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【呪術廻戦】こんなにも君が好き

第5章 今夜から




エレベーターが最上階へと到着し、悟が一つの扉の前で足を止める。私も何度か来たことのある場所だ。



「あのさ悟。一緒に住むのは分かったけど、さすがに今日っていうのはいきなりすぎないかな?私何にも持ってきてないし」




ガチャリと悟が扉を開ける音がする。そうして大きく開かれた扉のその先にはまさに高級マンションという名がふさわしい景色が広がっていて、閉められていなかったリビングの扉の向こう側からはキラキラと輝く夜景が見える。



「あぁ、それなら大丈夫だよ。マンションにあった荷物は全部僕の家に移動済みだから」



「へ?」



何かいま信じられない言葉が聞こえてきた気が…



「ヒナのご両親に同棲の許可をもらいに行ったら、喜んで引っ越しの手配をしてくれたよ」




「あ…なるほど…ね」



思わず溜息を吐きたくなる。本当にうちの両親は…呪術界では良家の家柄である一人娘をよくもまぁこんな簡単に手放せるものだ。



というか私の許可もなく適当すぎるのでは…?




昔から悟の事を心底気に入っている両親のことだ。悟からの提案に二つ返事でどうぞどうぞって感じで返事をしたに違いない。



まったくもぉ…



「悟もうちの親も…全然私に何の相談もしてくれないんだから…」そう小さく呟けば、そんな私の言葉が聞こえていたのか「君は昔から、なんだかんだ僕に弱いもんね」と、結局いつも悟の行動や意見に流される私を分かっていながらコレなんだからタチが悪い。



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