第21章 忘れモノ
「五条さん、顔色が悪いですよ。到着まで少し眠って下さい」
伊地知の待つ車へと乗り込めば、バックミラー越しに心配気に目を凝らす伊地知の姿。
「あぁ、そうするよ」
僕の顔色が悪い原因はもちろん伊地知だって分かっている。普段なら機嫌の悪い僕に話しかけてくることもないが、よっぽど僕の顔色が悪いんだろう。
このまま任務に行ったら危険だと思ったのかもしれない。まぁ僕に危険も何も無いんだけど。
それでも一度スマホに硝子からの連絡が入っていないか確認した後、腕を組み瞳を閉じると伊地知に言われた通り現地へ到着するまで少しの仮眠を取った。
正直深い眠りに付けたわけではない、それでもほとんど眠っていなかった三日間の反動が来たのかあっという間に眠りについて、睡眠時間は30分ほどだったと思うがそれでもかなり頭はスッキリとした。
途中伊地知が色々買ってきてくれたらしく、祓い終えて車へと乗り込めばコンビニの白い袋を手渡される。