第20章 執着
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朝目が覚めると、そこにヒナの姿は無かった。今日は朝早いと言っていたから先に出たのだろう。
やけに頭がスッキリとしている。普段眠りの浅い自分が、部屋を人が出入りしていたのにも関わらず起きなかったなんて驚きだ。
むしろ隣に人がいてこんなにもグッスリと眠れたことが奇跡のように感じる。いや、むしろ彼女が隣にいてくれたからよく眠れたのか…
何で…だろう。最近の自分はまるで自分ではないみたいだ。
ハッキリ言って僕は性格が悪い。それはまぁ信じられないくらいに悪い自覚がある。
我儘で、自己中心的で、そしていて人間の心を持ち合わせていないと良く言われて来た。
それがまさか…仲の良い幼馴染だったとしてもここまで彼女に干渉している自分が不思議でならない。
彼女の行動が気になる、そばに居ないと不安だ。他の人間と親密にして欲しくない。感じたこともないような束縛感情と、そして執着心のようなものが見え隠れする。