第20章 執着
「とにかく今日は僕と一緒に寝ること!強制です!!」
「えぇ!!」
「嫌とかなしだよ?」
「嫌とかじゃないけど…」
「それなら問題ないね!!」
それは元々毎日一緒に寝ていたわけだし、今でも悟の記憶がないが恋人で婚約者であることは変わりない。だからまぁもし何が起きたとしてもそれは全然問題無いといえばないのだが…
良いんだろうか。こんな状況のまま私達が一緒に寝ても。
「悟は嫌じゃないの?」
「君をあんな所で寝させる方が嫌だよ」
「…うん、分かった」
その言葉に胸がぎゅっとなった。
悟からしたらただ幼馴染に気を使っただけなのかもしれないが、少しでも私な事を気にしてくれているのが嬉しかったからだ。
「ありがとう…悟」
「いいえ、そのかわり明日は僕が行きたかったケーキ屋に付き合ってね」
「うん、もちろんだよ」