第20章 執着
「つーわけで硝子、迷惑かけたね〜」
悟は私の肩を抱き寄せケラケラと笑いながら、玄関で見送ってくれている硝子にヒラヒラと手を振る。悟は少し人との距離感がバグっているせいか、たまにこうしてグッと近づいてくる事がある。まぁそんなの慣れた物なのだが、今は状況が状況なだけに少し緊張してしまう。
「まぁ良い、お前達の揉め事に巻き込まれるのは慣れてる」
「硝子、色々話し聞いてくれてありがとう」
「ヒナは普段から我慢してしがちなところがあるからな。五条の家が嫌になったらいつでもここに来い」
「ふふっ、ありがとう」
「ちょっとちょっと〜僕達せっかく仲直りした所なんだから余計なこと言わないでくれるー?」
「まぁでも、お前の執念深さと執着には感心したよ。五条」
「はぁ?何の話し?」
「ヒナは苦労が絶えないなってことだ」