第20章 執着
私だったらこんな時間にいきなりインターフォンが鳴ったらそれこそビクビクと怯えるだろう、だって怪しすぎるし。
だけれど、硝子はまるでそれが当然だと理解しているように冷静で、取り乱してすらいない。
「え?大丈夫なの?私が見てこようか!?」
すると、もう一度ピンポーンと軽い音が鳴る。
えぇ!ヤバイヤバイ!硝子美人だからヤバイ!これは確実に狙われてる!!
「大丈夫だ、ストーカーには違いないが私のストーカーじゃない」
何!?どういうこと!?!?
そんなやりとりをしている間にも、今度はピンポーンピンポーンピンポーンと何度も連続して部屋にインターフォンの音が鳴り響いた。
硝子はそれに「はぁ、うるさ」と溜息を吐き出したあと持っていたグラスをテーブルに置きゆっくりと立ち上がる。
「え?え?平気?硝子、平気なの!?」
「まぁどちらかと言えば平気じゃないのはお前の方だな、ヒナ」
「私?何で!?」