第19章 大切な記憶
「あー怖い怖い、なぁ傑」
いつの間に険悪なムードは吹き飛んだのか、悟と傑は当然のように普通に話しをしている。
いつもそうだ。いきなり喧嘩が始まったと思ったら、気がついた時には二人でケラケラと笑って楽しそうにしている。
男の子ってよく分からないなと、よく学生時代思っていた事を思い出す。
「とにかく悟と傑はこっちへ来い。説教だ」
「えぇ!?今散々僕達殴られたじゃないですか〜」
「あのくらいで許したら、またいつ校舎を破壊されるか分からないからな」
「学長私達もさすがにもう校舎は破壊しませんよ」
「あんなに堂々と喧嘩しておいてどの口が言ってるんだ」
「え〜僕もう今日は上がりだったのにー傑のせいだからな」
「それはこっちのセリフだよ、悟」
「良い加減にしろ!!」
その後またまた拳骨が二人の頭を直撃し、夜蛾先生に引きずられるようにして連れられた二人はしぶしぶ学長の背に着いていった。