第18章 呪術界の中心
儀式の練習をする最中にも、悟の仕事は次々とやってくる。
どうやら久しぶりに本家へ帰って来た彼に、面倒臭がりな悟が後回しにしていた仕事を今がチャンスだと言わんばかりに家の人達があれやこれやと悟の元へ訪れ話をしていく。
「せっかくヒナと一緒にいるのに全然集中出来ないんだけど。ウザイ」などと悟は言っていたけれど、テキパキと指示を出し仕事を消費していく彼を見て、やはり頭の回転が恐ろしく早く仕事の出来る天才なんだなと思ったし、悟ってやっぱり御三家の当主様だったんだと改めて思った。
まぁだけど普段の「仕事行きたくない〜」「ヒナと一緒にいたいからサボる〜」なんて言っている毎日を知っているからか、いつもこのくらい駄々をこねず真面目にやれば良いのにと思わなくもない。
遠くから悟をボーッと見ていると、話を終えた彼が戻って来て私の隣へと腰掛ける。
和服の悟は昔から見慣れているはずなのに、こうしてマジマジと見ると本当に整った容姿をしているんだなぁとつい感心してしまった。
完全に顔は洋なのに、和服がここまで似合うのも不思議だ。