第18章 呪術界の中心
そんな二人を見て私も少し泣きそうになったし、そんな私の背中を悟は優しく撫でてくれた。もちろん仲睦まじい様子の私達を見て、私の両親は嬉しそうに微笑んでいた。
その後はただひたすらに高専での授業と任務、そして結婚式の準備に追われた。
よく分からない結婚式の儀式の勉強から招待する人達のピックアップ。一般的な結婚式の準備ももちろん大変だと聞くけれど、それらの比にならないほど多分大変だったと思う。
いやいや、結婚式の勉強って何?とか思ったし。五条家に嫁ぐにあたっての資料も五条本家の方に山ほど頂いた。悟は「そんなの読む必要ないから。燃やして捨てな」とか言っていたけれど、そんなわけにはいかない。だって御三家である当主で、呪術界トップの実力を持つ五条悟の妻が不出来だとは思われたくないからだ。
そんなことを悟に言えば「君が僕の妻でいてくれるだけで僕は嬉しいんだ」なんて甘い笑顔で言ってくれたけれど、だからこそ私は悟のために何かを頑張りたいと思ったのだ。
「ヒナお待たせー!!」
綺麗な景色の描かれた襖が勢いよく開く。それにビックリとしながらも、そちらを振り向けば少し髪が乱れサングラスをした和服姿の悟が目に入った。多分急いで来てくれたのだろう。
「大丈夫だよ、私もさっき着いたところ」
「でも一人でこんな所にいて居心地最悪だったでしょ?ごめんね」