第17章 二人の出張
「大丈夫、僕は死なないよ。そして君のことも、絶対に死なせやしないさ」
「………っ」
「僕が守るから、絶対に僕がヒナを守るから。君の笑顔を守って見せるから」
「………さとる」
「だからこれからも、僕のそばにいて。僕の隣でずっと笑っていて」
遠くの方で波の音が聞こえる。深く、そして静かな音だ。
月明かりに照らされた白髪の髪がキラキラと光って見えた。
ずっと真夏の空を閉じ込めたみたいに綺麗だと思っていた碧色の瞳は、今は目の前に広がる満天の星空を写していて、まるで宇宙のように素敵だとそう思った。
悟の瞳がゆるりと弧を描く。
そして口角が上がりふんわりと微笑んだ悟は、これでもかというほど私を愛おし気に見下ろすのだ。
「ヒナ、僕と結婚してくれる?」