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【呪術廻戦】こんなにも君が好き

第17章 二人の出張





「ヒナに出会うまではずっとそんな風に生きていたからだよ。自分の本心も、何がしたいのかも分からず生きていた。だって僕は生まれた瞬間から特別な存在だったから。最強であることは決まっていたし、進まなければいけない道も当然決まっていたからね」




その言葉は、懐かしむでもなく…ただそれが当然だったかのように悟は口にする。




六眼を持ち、そして無下限術式を持って生まれた存在。確かにそれは、呪術界を無視して生きていけるような、そんな存在では無い。




現に私も同じだ。悟ほどとは言わないが、呪術界から飛び出して他の世界へ行く事は叶わないだろう。




「だから君に出会えて良かった。ヒナに出会えたことが、僕にとって生まれて初めて自分の感情が動いた瞬間だったんだ。君の笑顔が、君の明るく元気な声が、君の存在が。僕を人間らしく感情のこもった人にしてくれた」




悟がそんな事を思っていたなんて、想像もしていなかった。彼を小さい時から知っていたはずなのに、私は彼の本心を何一つ知らなかったんだという事に気が付く。




「僕に初めて心から笑うという事を教えてくれたのも、苦しい感情やもどかしさや嫉妬を教えてくれたのも、温かい感情も好きという感情も、そして何より愛しいって感情を教えてくれたのも、全部全部ヒナが教えてくれたんだよ。ヒナに出会えたから知ることが出来た」



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