第17章 二人の出張
小さな動作一つでも胸をときめかせるし、優しい声色を聞くだけで愛しくなる。
嬉しそうな顔を見れば私も嬉しくて、私の事を好きだと全身から感じるほどの甘い笑顔を見れば、これでもかというほど幸せな気持ちになった。
好きって凄い。大好きって凄い。
今までこんな感情を感じたことも、持ち合わせたことも無かったが。きっと私は悟を好きになるために今まで恋愛をしてこなかったんではないだろうかと思えるほどに、今では彼が好きでたまらない。
好きという言葉の意味も、愛しているという言葉の意味も。
間違いなく今の私は、きちんと理解し感じることが出来ているだろう。
ぷかぷかと波に揺られながら、二人でいっぱい遊んだ。
水をかけ合ったり、のんびり話をしたり、そして時々キスなんかもして。手を繋ぎながら波に揺られた。
途中、私がかけた水が悟の顔目掛けて飛んでいったけれど、もちろん悟は私に対して無限を使わない。だから、勢い良く被った水のせいで悟愛用のサングラスが波に流されてしまい、サングラスをかけないままビーチに上がった時それはそれは大騒ぎだった。
「え?イケメンすぎない!?」「何!?顔強!!こんな美形初めて見たんだけど!!」「目綺麗!カラコンじゃないよね?綺麗すぎるもんね!どゆこと!?美形国宝!?」
などなど、辺りにいる人達は老若男女問わずキャーキャーとそれはそれは色めきだっていた。
…美形国宝って何ぞや…??