第17章 二人の出張
トンっと背を押され椅子の上へと座らされる。
ヒヤリとした感覚のあと、スルスルと液体を伸ばす悟の手の温度が背中を伝い、ピクリと背中を揺らした。
な、なんか…
「触り方がやらしぃ…」
「だって、やらしくしてるからね」
「なっ何でよ!」
「え〜だってヒナの背中がめちゃくちゃエロくてさ」
「何言ってんの!?」
本当、何言ってんの!?こんな所で!!周りに聞かれていないかと辺りを見渡すが、チラホラと視線は感じるものの、きっとあれは悟に向けられた視線だ。会話までは聴こえてないだろう。
ほっと安慮の溜息を吐き出せば「はい、できたよ〜」という悟の声と共に身体を起こした。
まったく、悟って本当にこういうところあるんだから。
「悟は日焼け止め塗らなくて平気?焼けたら痛いよ」
「んー、じゃあ軽く塗ろうかな。ヒナが塗ってくれる?」
「いいよ、じゃあここ座って」
軽く日焼け止めを手に取れば、今度は私が悟の背中や肩へと日焼け止めを塗っていく。白くきめ細やかな肌はまるで絹のようだ。羨ましい。
背中も、肩も、腕もしっかりと鍛え上げられた身体は誰がどう見ても完璧で、これまた色気がダダ漏れである。