第17章 二人の出張
繋いだ手は彼によって器用に絡め取られ、そしてぎゅっと優しく包まれた。
ビーチへと降りたてば、目の前に広がる綺麗な青に一瞬で目を奪われる。
「すっごい綺麗!!」
「綺麗だね、晴れて良かったよ」
荷物をパラソルの下に置きながらバッグから日焼け止めを取り出せば、悟はそれをあたかも当然のように私の手から奪い去った。
「??」
悟も日焼け止め付けるのだろうか。確かに色白だから焼けたら痛そうだ。きっと皮が剥けるというよりは赤くなって腫れてしまうタイプだろう。さすがに紫外線は無限でカバーできないだろうし。
「塗ってあげるよ」
「え?塗ってくれるの?」
サングラス越しでも分かる、にっこりと微笑む表情は何だかとても楽しそうだ。
着ていたシャツをスルリと肩から落とせば、悟はその瞳を細めて私を真っ直ぐに見つめる。
「うわー、ヒナのビキニ姿エッロいね。たまんない」
その言葉に、シャツを畳んでいた手を止めてバッと悟を見上げる。そこにいるのはもちろん心底楽しそうな表情をして、手にトロトロと日焼け止めを出している彼の姿。
「ほら、横になって。塗ってあげるから」