第17章 二人の出張
皆んなが一生に一度の新婚旅行で泊まる中、たかが出張で一日来ただけの宿泊ためにそんな高級な部屋を取ろうとしていた事に驚くが、そういえばこの人金銭感覚が桁違いなんだったと思い留まる。
前に連れて行ってくれた東京のホテルも凄かったし、きっと今回も凄いのだろう。何より当然のように絶対毎回スイートルームだということが今更だが有り得ないということに気がつく。
普通、スイートルームとかそんなほいほい泊まるものじゃない。というか、泊まろうという発想に至らないはずだが、悟はどうやら違うらしい。当然のようにスイートらしい。
「うわぁ、やっぱりすごい!」
ドアを開けた先に広がる煌びやかな空間を見つめ、やはりその高級感に驚きの溜息を吐き出した事は言うまでもない。
「目の前海だから、明日は朝から遊べるね」
「そうだね!それに、朝日が昇ってここから海眺めるのが楽しみだなぁ」
私達の住む家もかなり窓が大きく一面ガラス張りになっているが、ここの窓も負けず劣らずかなり大きい。
目の前に広がる夜の海を見つめながら、早く明るくなった景色が見たいと胸が高鳴った。