第17章 二人の出張
『 術式反転 赫 』
辺り一面が爆風で木々が荒れる。砂埃が立ち込める大岩の上で「ふぅ」と小さく溜息を吐き出しながら短剣を背に戻せば、上空からこちらをにっこりと見下ろしている悟が目に入った。
一日半かかる予定だった任務が一日で終わったのは、任務が始まるや否や見たこともないほどに張り切りやる気を出した悟のおかげだった。
おそらく、いや間違いなく、それはそれは早く沖縄観光がしたかったからに違いない。
「やっと終わったね〜今日は流石にもう遅いからホテル直行だけど、明日は一日中フリーだし、最高だよね」
「お疲れ様、悟のおかげだよ。明日楽しみだなぁ!何するかホテルに戻ったら決めようね」
「僕色々ピックアップしといたよ。一日あれば、結構色々な事出来るよね」
「だね!でもまずはやっぱり海に行きたいかなぁ」
「良いねぇ〜、ヒナの水着楽しみだな♡」
「えっ、やめて!見せられるほどの物ではないので!!」
「えー、絶対可愛いのに」
そんな話をしながらも、呼んでおいたタクシーに乗り込みホテル到着までの時間二人で必死で報告書を書き終えた。正直言ってこんな真面目な悟はなかなか拝めないというほど真面目だったと思う。これで本当に明日は一日中フリーだ!!