第17章 二人の出張
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まるで沖縄にふさわしくない全身真っ黒な格好で那覇空港に立つ私達。しかも悟はもちろん黒の目隠しを着用だ。
周りから見たら、こんなにも浮かれていない格好をした私達はそれこそ逆に浮いた存在で、悟の目立つ外見がさらに私達の注目を集めた。
まぁいつもの事ではあるのだが、東京に比べ人の少ない環境では尚更目立つ。そう思うと、東京は個性的な人が多く、悟の外観を見ても何のことなくスルーする人が多いのだなと思った。
とりあえず荷物をホテルへと送り空港でタクシーに乗り込めば、もちろん任務先まで直行だ。
悟は飛行機の中でも終始浮かれていたが、今のタクシー内でも楽しそうにスマホをいじりながら任務後の予定を立てている。
「ちょっと特級呪術師の五条悟さん?任務の事忘れてませんか?」
タブレットをスイスイと動かしながら隣へ視線を送れば、悟は楽しそうに微笑みながら私の前へとスマホを差し出す。
「見てこれ、塩ちんすこうアイスだってさ!絶対美味しいよね〜!あ、こっちの紅芋パフェも捨て難いかも」
いや、全く聞いてないな。それどころか話噛み合ってないし。どうやら彼は本当に任務ではなく旅行に来たらしい。