第17章 二人の出張
「僕、ヒナのそういうところ凄く好きだなぁ」
「…そういうところ?」
「うん、僕を普通扱いしてくれるところ」
「えー?そんなの当たり前だよ」
「そういうところだよ。そういうところが堪らなく好きで愛しいんだ」
悟は私の頬にさらりと触れる。まるでそれが合図みたいにゆっくりと顔が近いてくると、悟が少しばかり顔を傾けるのが見えてそっと瞳を閉じ唇を重ねた。
甘い感覚が口内に広がる。堪らなく好きで愛しいのは私も同じだ。悟の事が大好きなのだから。
「じゃあ急いで明日の準備しちゃおうか、結構飛行機の時間早いからね」
「うん、そうだね!早く準備して早く寝ないと!!」
この日は二人で急いで出張の準備をした後、いつもよりも少し早めに就寝した。悟いわく、早く任務を終わらせて速攻遊んでやる!!との事らしい。うん、それには私も賛成だ。
あれもこれも観光に行くと言うのは無理だろうが、せめて海くらいは行きたい。あとソーキそばも食べたいし、紅芋タルトも買いに行っときたい。