第17章 二人の出張
前に「生徒達に大人気だし、傑も先生になったら良いのに」と言ったことがある。そしたら「それはたまに来るから良いのさ。きっと毎日いたらすぐに人気なんかじゃなくなるよ。悟とヒナの方がよっぽど先生が似合っているし、良い先生だ」と言われたっけ。
「1日目と2日目の午前は任務で、その後はフリーだよ♪最高でしょ?まぁ次の日は朝一で帰らないとだけど」
つまり半日は沖縄を堪能出来るというわけだ。最高じゃないか。最高すぎるじゃないか。
伊地知君には感謝しかないなぁ。きっと悟のわがままと、彼なりの気遣いが含まれているのだろう。たくさんお土産買って行ってあげないと。もちろん生徒達と傑にもね。あ、硝子には美味しいお酒かな。
「…どうしよう、何だかすっごく楽しみになってきた」
「でしょでしょ?僕達が旅行行けるなんて奇跡じゃない?まぁ任務付きだけど」
まるで旅行がメインで任務がついでみたいな言い方に笑ってしまう。
「奇跡だね!出張以外で県外行くとかいつぶりだろう?まぁ出張では毎月嫌というほど県外行ってるけどさ」
「僕なんて先月、1週間で日本横断歩道したよ?ふざけてるよね。もしかしてそこで頑張ったご褒美なのかも」
「ふふっ、悟はいつも頑張ってるよ」