第17章 二人の出張
「え?私と悟の二人で?」
「そうだよ、やったね!沖縄旅行だ♪」
るんるんと鼻歌を歌いながら私の頬をつっついてくる悟。
「本当に私達が二人で沖縄任務なの?」
「もちろん本当だよっ」
「え?怪しすぎる!!だって今までそんなこと無かったじゃん!私達が一緒に出張とか」
両思いになってすぐのこのタイミングで、しかも沖縄での出張なんてどう考えても怪しいし、絶対何かの力が働いてる気しかしない。例えば最強の特級呪術師の圧力とか。絶対そうだ!伊地知君を脅してるとかね!!
「え〜酷くない?僕の信用無さすぎじゃない?」
「だって絶対可笑しいもん!伊地知君を脅したの?本当のこと言って?」
「ちょっとちょっと、いくら僕でもそんなことしないよ?まぁヒナを推薦したのは僕だけど。あわよくば任務後遊べたらいいなーって」
「推薦?」
「本当はこの任務、僕と七海が行く予定だったんだ。でも七海に急な任務が入ったらしくて他の一級術師を手配するって言うから君を推薦したんだよ」
なるほど、そう言うことか。まぁそれなら納得だ。七海君と私は同じ一級術師だし、いくら悟でも七海君との任務を無理矢理私にすげ替えたりはしないだろう。