第17章 二人の出張
「納得してくれた?」
「うん、まぁ」
「一泊二日だったところを、二泊三日にした事に関しては伊地知に感謝しないとね」
「やっぱ脅してるじゃん!」
「違うって〜、僕達が両想いになったのを伊地知が硝子から聞いたらしく気を利かせてくれたんだよ。いつも忙しいお二人に少しでも休んだもらいたくてって。本当できた後輩だよね〜アイツ」
どうやら悟が私を好きというのは、伊地知をも知る事実だったらしい。まぁそうか。彼は高専時代からの後輩だから…つまり七海君なんかも知っていたということか…何だかそう思うと物凄く恥ずかしい…
「でも生徒達はどうするの?明日は私を生徒と一緒に新宿で任務だよ」
悟も私のどちらも出張でいないことは割とザラにある。それは忙しい呪術界だから仕方のないことだ。首を傾げる私に、ソファーの背にもたれていた悟は身体を起こすと にっこりと微笑んだ。
「それなら大丈夫!傑にお願いしたから」
「え?傑に?」
「傑も明日新宿で任務だって言ってたから頼んどいたんだよ。それにたまには僕達以外の術師と関わるのも大事だろう。傑の体術はかなり勉強になるから、ついでに傑の任務も見学して来てもらおうと思ってね」
あら珍しい、何だか悟が凄く先生らしく見える。