第15章 隠れた気持ち

「そんなことされると、我慢出来ないんだけど」



悟の低く色っぽい声と共にくちゅりと甘い水音が立つと、互いの熱を確認するようにして絡まり合う舌から銀の糸が引く。



「…ﾝっ…ふぁ…さと、る」



神聖なる学舎で、教師二人がこんな事をしているなどと誰が思うだろうか。夜蛾先生にでも目撃されたら、それこそ大変なことになりかねない。そう思うはずなのに、普段恥ずかしがり屋な自分とは思えないほどに悟を求め、そして悟はそんな私を求め続けた。



唇が離れた少しの隙に、空気を取り込んでいるはずなのに。少しでも彼と離れたくなくて…少しでも悟の熱を感じていたくて…ハァハァと息を切らしながら必死でキスを交わした。



大きく白い悟の手が、私の首筋を撫でるようにしてするりと触れる。それにピクリと反応しながら彼の首へ絡めた腕に力を込めれば、悟は嬉しそうに目尻を下げて激しく口内を犯す。




「ダメだ、もう我慢出来そうにないや」



「…え？」




次の瞬間、悟は唇を交わしたまま私の腰へグイッと力を込めると。今まで何度か経験したことのある軽い浮遊感の中、次に目を開いた時には景色は一変していた。