第15章 隠れた気持ち
悟が抱きしめてくれるあたたかな温もりが好きだ。
「…ヒナ」
甘く、愛おしそうに名前を呼んでくれるその声が好きだ。
キラキラと光る碧色の瞳も
大きく逞しい筋肉質な背も
今思えば、きっとずっとそんな彼の全部が好きでたまらなかったんだと思う。
「ヒナ…好きだよ、君がどうしようもないほどに大好きだ」
優しく柔らかな唇が、そっと私の唇に重なり合う。甘く…そして何よりも幸せだった。
「私も、大好きだよ」
目尻を下げるようにして悟を見つめながらそう返せば、久方ぶりに触れ合った互いの唇は、深く深く二人の甘さを確かめ合うようにして交わり続けた。
「…っ…ふ…ン」
悟の唇を感じるのが久しぶりだからか、それとも気持ちが通じ合い今まで以上に愛しさを感じるようになったからか、あつい熱が込み上げてくるようだ。
気持ち良い、ふわふわする、もっと…くっつきたい。
そう思ったころには、私は悟の首へと腕を回しグイッと少しでも彼に近づけるよう身体をピッタリと密着させた。