第15章 隠れた気持ち

……す…き…？



私が悟を好き…？




その言葉を聞いて思い出すのは、彼と婚約してから感じた様々な感情。



悟といると、何をしていても楽しくて。



そばに居てくれれば安心出来て温かかった。



抱きしめられれば、それは感じたこともないほどに心地良く心が満たされる感覚。



出張で会えない時にはどこか寂しくて、そして連絡がくれば嬉しくなった。



悟の笑顔が見れるなら、何だってしてあげたいとそう思うほどに…私は彼の笑顔をいつまででも見ていたいとそう思っていたんだ。




そして…なよりも…



悟と女性が腕を絡めにこやかに話しているのを見て、信じられないほどに辛かった。苦しくて苦しくて…心が張り裂けそうで…



今にも胸が潰れてしまいそうで…



悟の隣に居るのが自分じゃないということが。彼が私ではない誰かに微笑むことがこんなにも酷く辛いのかと…そう思った。




どうして今まで気がつかなかったのだろう。




もう、とっくに…






私の中で悟は、誰よりも大切で特別な存在だったのに。



















「私も…悟のことが、好き」