第14章 見たくない
碧く綺麗な瞳が私を捕らえる。
「ずっとずっと好きだった。好きで好きで大好きで、そばにいたくて仕方がなかった。君の隣にいるのは僕が良いって、僕を好きになれば良いのにって何度も思った」
「…ど、して…」
悟の苦しそうな声が耳元から聞こえてくる。
悟のいつもよりも冷たく、震えた腕が私を抱きしめまた胸がつまった。
「君は僕の特別だったんだ、もうずっと前から。いや、君と出会ったあの日からヒナは僕の特別だった」
「………っ」
「好きだよ、愛してる。頼むから…僕を捨てないで…」
その情けなく小さな声に、熱い涙が込み上げてくる。
悟は、呪術界にとって最強であり、唯一無二の存在だ。
だけど、彼は私の前では最弱だという。
六眼待ちであり、無下限術式の使い手である最強呪術師の彼が。
私の前では、余裕がなく最弱なのだと。
嬉しかった。私にだけは隙を見せてくれているんだとそう思えるから。
嬉しくて仕方がなかった。私の前ではありのままの彼でいようとしてくれているんだとそう思えたから。
でも、なら何んで…