第14章 見たくない
「悪い?そんな事思わなくて良いのに。当然でしょ」
「あはは、そうだよね。当然だよね」
うん、そうだよ。彼女のいる人の家に泊まらないなんて当然の話だ。
トントン、
「ねぇ、さっきからそのトントンってしてるの何?」
「え?」
トントン、トントン
「だからその、胸なんでトントンしてるの?」
「あぁ、これ?なんか少しつまってて」
「え?大丈夫なの?具合悪いってこと?」
「大丈夫だよ!元気いっぱい。いつも通りだよ」
「…じゃあさ」
「ん?」
「じゃあどうしてさっきから、一度も僕のこと見ないの?」
トントン、トントン、トントン
胸がつっかえるな、もう少し強く叩かないとダメかも。