第13章 術式
あぁ、一緒にお風呂に入るなんて…明るいし丸見えだしどうしたら良いんだ…なんて考えながら頭を悩ませていると、とっくに服を脱ぎ捨てた悟が下着一枚の姿で私を見つめている。
「服脱がないの?やっぱり手伝う?」
何の躊躇もなく脱ぎ去れられた服と、堂々とした下着姿の悟に思わず赤面してしまう。
一気にカッと染められて行く頬に恥じらいを持てば、悟はそんな私を見て一瞬きょとんとしたあと、すぐにその顔を緩めニヤニヤと微笑んだ。
「なぁに?僕の裸見て、もしかしてあの時の事思い出しちゃった?」
その彼の言葉に、私はさらに顔面を真っ赤に染める。何故ならそれが図星だったらだ。
まるで彫刻のように整ったきめ細やかな肉体美に、色気あふれる大人な男性の裸体。
そして、そこの大きさがハッキリと分かるほど淫らな膨らみは、思い出すつもりが無くてもあの夜の事を思い出させた。
互いに服一つ纏わずベッドの上で乱れたあの日の事を。
最後までいたしたわけではない。それでも、私達にとってあの晩は誰がどう考えても一つの線を超えた一夜だったのだ。