第13章 術式
そんな話をしていると、サッと突然開かれたカーテン。そちらへと目を向ければ、そこには心配そうな顔をしている生徒達3人。
「椿先生!!大丈夫!?もう起きて平気なん??」
「こら!馬鹿虎杖うるさい!もっと小さい声で話しなさいよ!先生だって疲れてるんだから」
「釘崎お前も十分うるさいぞ」
身体を起こしている私を見て心配そうに覗き込んでくる3人は、おずおずと私のベッドを囲うようにして立ち止まった。
「先生ごめんな…俺らが弱いせいで…先生が一人で戦うことになって」
ポツリポツリと話し出した悠二君に、隣にいた二人もしゅんっと、まるで垂れた耳でも見えそうなほど落ち込んでいるのが分かる。
「何言ってるの、3人とも無事で良かった」
本当にそう思う。もしも今、可愛い生徒のうちの誰か一人でも酷い怪我などをしていたら…むしろ命を落としていたらと思うとゾッとする。
任務の危険度が途中で上がる事は時々あることだ。現に過去に可愛い後輩を一人それで亡くしている。もうあんな過ちはごめんだと、もう二度とそんな光景を見たくないと、胸がキリキリと今でも音を上げる。