第13章 術式
彼女からしたら、生徒に何か起きるよりも上からの説教など取るに足らない事だろう。
最悪僕が何とかすれば良い。上を黙らせる事など造作も無い。
腕の中のヒナを抱きしめぎゅっと力を込める。彼女を止められるのが自分だけということに、無性に優越感に浸りたくなる。これがもし止められるのが夏油だけだとかいったら、大暴れも良いところだ。世界を破壊してる。
「ほら3人とも、いつまでもしょぼくれてないで高専戻るよ。手当しないと」
「しょぼくれてないわよ!!」
「そういうのはやめて下さい、腹が立つ」
「五条先生そこは空気読んでよー、いくら俺達だって落ち込むよ?」
3人のギャーギャーという声を聞きながら歩き始めれば、補助監督の待つ車へとヒナを抱えたまま向かった。