第13章 術式
「伊地知から君達の任務の危険度がつりあがったと連絡が来たんだ。だけど僕は少し遠くにいたものだからね、遅くなってすまなかった」
本来なら特級案件は五条か夏油が向かうべきだったのだが、あいにく二人とも遠出の任務に付いていた。二人が間に合わないと判断した伊地知が起点を利かせてヒナへ連絡してくれたのだ。
その時点では特級まで出てくるとは思っていなかったが、元々階級違いの任務に行く事は禁止されている。彼女の実力は特級に匹敵するが、しかしながら理性を失うという点が問題であり、彼女の弱点だった。
だがしかし、五条がいる時はその弱点を何とか出来た。五条だけが彼女を止める事が出来たからだ。
伊地知は彼女が到着したのち五条がすぐに到着すると判断したのだろう。そのおかげで生徒達は無事で済んだ。
まぁ階級違いの任務へ向かったとなれば、ヒナが後々上から何か言われる事は間違いないが。