第3章 婚約者
「僕もさ、いたことないんだよね」
「えぇ!嘘だぁ!あんなにモテるのに?」
「本当だよ、だって怖くない?僕のことよく知りもしない奴に好きとか言われても付き合えるわけ無いじゃん。肩書き欲しさに妊娠とかされたらウザいし」
なるほど…モテる人はモテる人なりに大変なんだ。悟は顔が良いからイケメンだからって近寄って来る人も多いだろうし、呪術界関係の人は悟が五条家当主で六眼持ちの無下限術式を扱う最強だから近付いて来る人もきっと多い。
そう思うと、悟の言っている事も納得出来る。必ずしも好きだからと近寄ってくる人ばかりではないんだ。
「今から新しい相手と出会って恋愛して結婚してってするよりも、お互いをよく理解してる僕達が結婚すれば絶対上手くいくと思わない?それに僕達ずっと仲良いし、今さら結婚したら理想と違ったってなることもないと思う。ね、ヒナもそう思うでしょ?」
「え、あ…確かに、そうなの…かな?」
「うん、絶対そうだよ。ちなみにヒナとイチャイチャ出来るかについてだけど僕は全然出来るよ♡むしろしたい。なんなら今試しにキスしてみようか」
「え!?キス!?」
「だってヒナ的には僕とイチャつけるかどうかが引っ掛かってるんでしょ?」
いちゃ付けるかどうかというか…やっぱり結婚するなら好き同士でしたいし、好き同士ってことはイコール手繋いだりキスしたりラブラブするってイメージだったからそう言ったんだけど…ん?それってつまり悟が言うようにいちゃ付けたら私は悟が好き?で、だから結婚出来るって事になるの??
「これでもしキス出来たら僕達結婚出来るってことだね」