第11章 甘い休暇

言われるがままま引き寄せられるようにして悟へ口付けるが、まだ自分からのキスには慣れていない。



ぎこちなく動かす自身の舌先を悟はスムーズに絡め取ると、こぼれ落ちてしまいそうになる互いの唾液を綺麗に舐めとった。



下半身に集まっていく快楽に身を捩らせながら、グチュグチュと音を鳴らす悟の指を繊細に感じ、耳の遠くの方で彼の吐息を感じる。




「……あっ……んﾝ…悟っ」




こういった事はまだ2回目だといいうのに、こんなにも快楽に沈んでいきそうな感覚になるものなのかと戸惑いを隠せない。




私はこんなにもいやらしい人間だったのか。いや、それとも悟がとてつもなく上手なのか…



そこまで考えが至ったところで、胸の辺りがモヤモヤとし始める事に気が付いた。



今まで誰とも付き合った事がないと言っていた悟。呪術界御三家の当主になる事は産まれた瞬間から決まっていたのだ。変な女と付き合って孕みでもしたら困ると言っていたことを思い出す。でも、だからと言って未経験だとは言われていない。


その瞬間、ムッとした気持ちになり。私は悟の首元にしがみ付けしいていた腕を離し彼の服の中へとするりと侵入させた。