第11章 甘い休暇
悟の言葉にまるで息が止まったみたいな感覚になる。
あぁ、ずるいなと思った。
こんなにも優しい顔で、優しい声で、そんな事を言われて嬉しくないはずがない。
お互いに絡み合う視線を交差させながら、なんとも言えない照れ臭い気持ちと、そしてもどかしい気持ちが入り混じる。
料理を全て食べ終えエレベーターに乗り込めば、繋がれた指先はじんじんと熱く熱を帯びていた。
部屋に着くなりどちらともなく交わされた口付け。
まるでなだれ込むようにしてベッドへと押し倒されれば「続き、しようか」と瞬きを惜しむほど美しく色っぽく悟は私の耳元で呟いた。
交わされる唇と、絡み合う舌からはいやらしく音が鳴り響く。時折漏れ出る「…んっ」と息をするような言葉にも、自分の物とは思えない艶かしさが漂って頭がのばせてしまいそうだ。
「ヒナ…力抜いて」
いつの間にか下着の中に差し込まれていた大きくゴツゴツとした悟の手が、じわじわと熱くなっている私の秘部へと触れツプッと少しの水音を立てて侵入してくる。
「…ン…ッ」
「もう、濡れてるね」
その言葉に羞恥心で頬を染めながらも、くちゅくちゅと力無く絆されていく自分の下半身に意識は集中していて、必死になりながらも悟の首元へ腕を回ししがみ付けば「キスして」と甘えたような声が真上から降ってきた。