第11章 甘い休暇
「ふふっ、本当可愛いなぁヒナって」
「からかわないで!!」
顔を逸らしながら服の皺をパンパンと伸ばす私に、悟は背後からぎゅっと身体を抱きしめ腰回りへ腕を回すとゆっくりと耳元で囁いた。
「からかってないよ。帰ってきたら、続きしようね」
「……っ…」
「本当は今すぐにでもしたいけど、ヒナが楽しみにしてた水族館は連れて行ってあげたいからさ」
「……」
「そのかわり、部屋に戻ってきたら覚悟してて」
とてつもなく色っぽい声で耳元で話すものだから、ほてっていた身体がさらに熱を持ちカッカッと熱くなっていく。
覚悟って何だ。続きってなんだ。悟の言葉に頭の中がパンクしそうになる。一体私は今日どうなってしまうの?この広々とした豪華でどうしようもないほど煌びやかな空間で、私はただひたすらに顔を赤面させ…背後で抱きついている自身の婚約者にドキドキせざるを得なかった。