第11章 甘い休暇
たどり着いた先の部屋は唖然としてしまうほどキラキラで豪華だった。多分、スイートルームっていうやつだ。いや、絶対にそうだ。
そしてとんでもなく広くて、とんでもなくオシャレで、とんでもなく素敵だった。正直値段を聞くのが怖いほど…もちろん宿泊代を払うと言った私に、悟は頷いてくれるはずもなく「僕に恥をかかせる気?」とニヤけ顔で言われるものだから、それ以上は何も言えなくなって「ありがとう」とだけ呟いた。
「…ヒナ、かわい…」
「…んっ…ふぁ…くちゅっ」
私の頬に当てられた悟の白い掌、互いの口から溢れ出す水音はいやらしくこの広い空間に響いている。
互いを貪り合うようにして交わされる口付けは、部屋に入ってキョロキョロと辺りを見渡していた私の手を引き、悟が待っていましたと言わんばかりに熱いものを押し当てた。
「…ふ…ッ…」
「はぁ…やっと、キス出来た…デートしてる時もずっとしたくて堪らなかったんだよね…っ」
もう今になっては慣れたはずの口付けに、軽く息を切らしながらトロンとした表情で悟を見上げれば、彼は妖艶に微笑み私の顎をさらりと撫でる。