第11章 甘い休暇
チェックインしてくれている悟をロビーで待ちながら、辺りをキョロキョロと見渡す。
どう見ても高そうなこのホテル。周りにいる人達もお金持ちそうだ。その証拠に身に付けている物がそういうのに鈍感な私でも分かるほどハイブランドだ。
うん、初デートだしと思って少しでもオシャレしてきて良かった。まぁ最悪は悟がさっき買ってくれた服に着替えるという手もあったけど。
「お待たせ」
背後からかけられた声に振り返れば、そこにはこの煌びやかで高級な空間がやけに似合う人物が私をにこやかに見下ろしている。
うん、悟って本当絵になる人だなぁ。
今だって、お金持ちそうなマダムからスーツを着たスマートな男性まで悟をチラチラと見ているのが良く分かる。だけどやっぱり彼はそんな事気にする事なく涼しい顔で私に手を差し伸べると、そのままぎゅっと指を絡めるようにして恋人繋ぎをした。
「少し部屋で休んだら、水族館行ってみようか」
「うん、そうだね!ホテルに水族館付いてるなんて楽しみ」
「夜はここのレストラン予約してあるから。美味しい魚料理だよ」
「やったぁ!魚〜って、水族館行くのに魚料理食べるの?何か急激に罪悪感がすごい…」