第8章 呪霊の体液
「え?へ?傑!?!?」
ヒナは傑の膝からもの凄い勢いで起き上がるとカーっとまるでトマトになったんじゃないかと思うほど顔面を赤く染める。どうやら解呪されたらしい。
「え?何で?え??」
おそらく今まで起きていた事は記憶の中から消えたわけではない。だからこそ何故今まで傑と恋人のようにイチャイチャしており、さらには今まさに膝枕をしていたのか分からないといった表情で傑を見つめている。
そして…
「え?悟!?何してるの?そんなところで!!」
ヒナが解呪されたことへの喜びと安心感、そしてやっと自分の元へ戻ってきてくれたという嬉しさから勝手にした膝枕のまま彼女を見上げていれば、そんな僕に気がついたヒナが大きく目を見開いていた。
それはそうだ、先ほどまで意味わからないほど傑とイチャイチャしていた状態で、今度はいつの間にやら僕が足元に絡み付いているのだ。意味が分からなくて当然と言える。
「やっと解けたみたいだね」
一番にそう話したのは傑。
「え?私もしかして呪われてた?あの時体液かぶったから?」
「うん、結構厄介な感じになっていたよ」
厄介どころの話ではない。もしこの呪いが一か月ほど解呪されないとかだったら僕は間違いなく日本を壊滅させていた事だろう。歌舞伎町は真っ先に僕の権力か呪力て粉々にしていたはずだ。
「そうだったんだね、傑…なんだか凄い迷惑かけてたよね…ごめんね。しかも私すっごい恥ずかしい事たくさんしてた…よね?」