第8章 呪霊の体液
その後はただひたすらに地獄のような時間を過ごした。
一通り恋人らしく肩を寄せ合って微笑んだ傑とヒナはしばらくして、ソファーで映画を見始めた。
初めの頃はただ唖然と2人のイチャイチャを見ているしかなかった僕だが、時間が経てば経つほど耐えられなくなりソファーで映画を見ている2人に加わるようにしてヒナの隣へと腰をかける。
「悟、狭いんだけれど」
「聞こえませーん、なんせ僕見えてないんで」
傑の肩にコテンと可愛らしく頭を乗せるヒナ。僕はもうヤケクソになり反対側のヒナの肩にコテンと頭を乗せた。
そんな僕の行動へ何か違和感を感じたのか彼女は「傑、何だか右肩が重い」と呟き、それに対し傑は「きっと任務で疲れたんだね。お疲れ様」と僕の重みを任務での疲労へと変換させたのだ。
信じられない、この2人。親友であり婚約者、おまけに特級イケメンの僕を疲労で済ますとは…