第8章 呪霊の体液
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「また随分と面白いことになったな」
家入は珍しく楽しそうにケタケタと笑いながらコーヒーマグを手に取ると、目の前に立っている同期二人を見つめる。
「全然面白くないんだけれど」
「いーや、私からしたら十分に面白いな。五条の反応が楽しみだ」
「私、殺されるんだろうか」
「まぁ可能性はゼロではないな。こっちとしてはたった3人しかいない同期、1人いなくなると寂しくなるなぁ」
家入は絶対にそんな事思っていないであろう雰囲気でそう呟きながら、デスクに置いていたカルテを書き込む。
【呪術師一名、一般人を庇い特級呪霊の体液を背部に被り呪いの影響を受ける。24時間経過後解呪される見込み】
夏油は先ほどまで一緒に任務についていた隣にいる同期を見下ろすと、「君には傷一つ付けないと言ったのに、このザマじゃあ本当に悟に殺されるかもしれないな」と小さく呟き溜息を吐き出した。