第8章 貴方がくれた今【平和島静雄/甘?】
ある日のことだった
体だけは鉄よりも頑丈で池袋最強の男と池袋では有名な平和島静雄が傷だらけで病院へ搬送されてきた
私は丁度同じ病室でとなりのベットを使っていた
「平和島静雄君?」
たまたま散歩しに行った中庭で偶然彼を見つけた
「はい、そうっすけど‥‥あ、さん」
彼を自動喧嘩人形と初めに言ったのは誰だっただろうか
こんなに温厚で物解りのいい子なのに
「ふふ、どうしたの?珍しいわね、こんな朝から中庭に居るだなんて」
「さん」
「何かしら?」
「俺、退院する事になったんっす」
「え‥‥本当!?おめでとう!あらあら静雄くんとお話するの楽しかったのにもう終わりなのね‥‥少し残念だわ」
静雄くんはよく私の相談を聞いてくれたし趣味が合うので良い話相手だったのだ
また明日からは1人になると思うと少し寂しかった
「どうしてそんなに悲しそうにしているの?」
「さん‥‥俺、さんのことが好きなんです」
「静雄、くん?」
「‥‥付き合ってくれませんか?」
顔が赤面するのが嫌でもわかる
それに対して静雄くんは平然と‥‥はして無いだろうが私が透けてくるんじゃないかと思うくらい私を見つめてくれていた
‥‥答えは決まっている
あなたが来てくれてから私の病院生活がどんなに楽しくなったか
私がどれだけ幸せだったかを貴方は知らない
「ーーこちらこそよろしくお願いします」
どんなものより貴方がくれた今が1番好きでした