第16章 15
私はキュロスの家から少し離れた木の根元とに腰掛けた。
私は混乱していた。
ルフィが私を好きだなんて思ってもなかった。
私もルフィの事は大好きだ。ルフィと一緒にいると楽しいし、何より安心できる。
ルフィはひとりぼっちになった私の側にずっといてくれた。
私の過去も弱さも全部受け止めてくれて私を仲間にしてくれた。
私はルフィが側にいてくれることが当たり前と思っていたのかも知れない。
ルフィにみんなの前でキスされて好きだと言われた。
もう、私が当たり前に思っていたルフィとの関係には戻れないのかもしれない。
そう思うと悲しくて自分の膝を抱いて泣いてしまった。
私はルフィの優しさに甘え過ぎていたのだろう。
私はどうしたらいいのだろうか?
そういえば、ローにも告白されていてドレスローザの作戦が終わったら答えを言うと言っていた事を思い出す。
ドレスローザでは必死過ぎて忘れてしまっていた。
ローはいつもさりげなく優しくて、いつも私の話をなんだかんだと聞いてくれた。
でも、ローは自分のことはあまり話さない。
いつも余裕そうで何を考えているかもらわからない。
それでも時々見せる暗い表情や、ホントは優しいのに隠してしまう性格に側にいてあげたいと思うようになっていた。
ドレスローザの時もローが死んでしまう気がして心配で堪らなかった。
それに、ローの仕草や表情は私をドキドキさせる。
ローはさっき「俺の側では安心出来ないのか?」と聞いたけど、ローが隣で寝ていると私は緊張して眠れなくなっていたかも知れない。
私は自分の優柔不断さに腹が立ったが、いくら考えてもこれからどうしたらいいのか答えは出なかった。
フ「ー!!」
私が考え込んでいるとフランキーが走って来た。
フ「お前さんもいろいろ大変だろうが、それどころじゃなくなった。海軍が動き出した。すぐにドレスローザを出航するぞ。」
『わかった!』
私は何とか気持ちを切り替えてフランキーと急いで家に帰った。
バルトロメオさんが私たちを港まで誘導してくれた。
戦いの中でみんなはトンタッタ族のみんなや、コロシアムに参加していた海賊たちと仲良くなっていたようでみんなが出航の手助けをしてくれているようだ。
港に走る私たちの中にルフィはいなかった。