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ウチの悪魔は『待て』が出来ない

第4章 甘すぎ天使とおねだり悪魔




「ちょ、っと、1回、落ち着こうか、ね、小鳥遊くん」
「ええ?俺頑張ってお手伝いしたのになぁ」
「た、頼んで、ない…………っ」
「酷いな雪乃さん…………」


しゅん、て項垂れたって駄目なものは駄目。


「だ、駄目!!」


近づいてくる綺麗に整ったかわいい顔を、両手で押し退けた。



「えーでも俺…………」

ち、近い!!
手!!
掴まないで!!


「雪乃さんに許可とりたいわけじゃないんだよね」




ガタガタガタ!!


と。
デスクの上から雪崩のように落ちていく書類やら筆記用具やらを見ていれば。
くいって顔が引き寄せられて。
柔らかい唇が重なった。










数時間前。


「小山内さーん!!こっちお願い出来ませんかぁ?」

…………ギク。

また、深山さん。

「………うーんでもあたしも今から打ち合わせ2件入ってるし企画書の直しとか………」

だいたい。
事務仕事は事務の仕事でしょ?
あたしも営業忙しいんだってば。


「だってこんなにたくさんわたし1人じゃ…………」

だから。
それはあなたが毎日毎日定時に帰るくせに仕事真面目にやんなかったからでしょ!?
自分の尻拭いくらい自分でしてよ。


「ごめんなさい、あたし急いでるから…………」


…………う。

勝手に裾、掴まないでくれるかな。


「今日…………。彼の誕生日なんです」
「…………」
はぁ。
ため息ひとつ。
「あなた先月も彼の誕生日じゃなかった?」
「ええ?やだなーいちいち覚えてるんですかぁ?ネチっこい女は嫌われちゃいますよぉ?」
「…………」
殴りたい。

「…………わかったから。残りあたしのpcに送っといて」

「はーい」





なんて話したのが確かお昼前。
現在定時過ぎ。
自分のpc開いた途端出てきた莫大な仕事のデータに驚愕した。

あの女、絶対まじめにやってないし!!


はぁ。
睨めっこしてても仕方ない。
やるか。
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