第3章 小悪魔天使がかわいすぎて困る
「しないよ。お兄ちゃんだって教えてくれないもん」
「俺はいーの。…………紹介できないやつ?変なのに捕まってない?」
「ないない!!」
「んー…………。でもやっぱ今度会わせて。この先そいつからもらうなら、どんなやつか知っときたい」
「…………そのうち」
「近々なー」
髪をくしゃり。
やっとお兄ちゃんが、居なくなって。
感じた女の人の、残り香。
こんなに色濃く残るもんなのか。
だけどこの香りは、嫌じゃない。
だからわかる。
お兄ちゃんを、大事にしてくれる人なんだって。
そのうちね。
だってまだ。
凛太郎にまた会いに行く勇気が出ないんだもん。
今度こそ凛太郎を食べ尽くしちゃったら、どーしよう。
凛太郎、もうリッカとはしたくないって。疲れたって。
思われたらどーしよう。
会いたいな。
凛太郎。
ものすごく会いたい。
「明日…………」
明日で、1週間。
もう凛太郎、体力回復した?
リッカのこと、覚えてる?
たった1回寝たオンナなんて、忘れちゃった?
でも。
うん。
会いに行ってみよう、かな。
明日また、会いに行ってみようかな。
ねぇ凛太郎。
リッカは凛太郎に会いたいよ。
凛太郎は?
凛太郎も、リッカに会いたいって思ってくれてるかな?
ねぇ、凛太郎。